海外旅行先のレストラン。家族に「パパ、注文お願い」と期待の眼差しを向けられる。しかし、店員さんの早口の英語が全く聞き取れず、ただ愛想笑いをしながら、メニューの写真を指さすことしかできない。傍らで、小学生の娘が、覚えたての単語で「Thank you」と、にこやかに微笑む…。40代の父親なら、そんな、誇らしさと、そして自分の不甲斐なさが入り混じった、ほろ苦い経験はありませんか?
この記事は、最新の英語学習法の紹介や、エリートの成功体験ではありません。これは、海外旅行での挫折をきっかけに、「子どもに『勉強しろ』と言う前に、まず自分が変わらなければ」と腹を括った、45歳・英語レベル英検3級の、ごく普通の父親の、汗と、少しの涙と、たくさんの喜びに満ちた、現在進行形の挑戦ドキュメンタリーです。この記事を読み終える頃には、あなたは「英語学習」が、単なるスキルアップではなく、自分自身と、そして家族との未来を豊かにする、最高の「冒険」であることに気づくはずです。
- 【等身大の挑戦記】英検3級レベルの40代父親が、中学英語からやり直すリアルな全記録
- 【超具体的】実際に使った教材、学習時間、挫折と克服の全てを、包み隠さず公開
- 【金額も公開】私が英語学習にかけた、リアルな「自己投資」の費用
- この記事は、あなたが一歩踏み出すための「勇気」と「具体的な方法」の全てです
きっかけは、海外旅行での一言。「パパ、英語、話せないの?」
数年前の家族旅行。その一言は、悪気のない、子どもの純粋な疑問でした。しかし、私の胸には、ずっしりと重く突き刺さりました。そうだ、俺は話せない。単語を並べることすら、できない。仕事では、部下に偉そうに指示をしているのに、世界に出れば、小学生の娘一人、守ってやれないのか。その時の悔しさと情けなさが、私の心に、小さな、しかし確かな火を灯したのです。
45歳の、遅すぎるスタート。私の英語レベルは「英検3級」でした
とはいえ、何から手をつけていいか、さっぱり分からない。私の英語力は、中学時代に取得した英検3級で、完全に止まっていました。「be動詞って、なんだっけ?」「三単現のs…?」そんなレベルです。書店に並ぶ、キラキラしたビジネス英語の本や、TOEIC900点!といった教材を前に、完全に気後れしていました。45歳からの挑戦なんて、無謀なんじゃないか、と。
「子どもに『勉強しろ』と言う前に、まず、自分がやれ」と、腹を括った日
そんな時、リビングで、中学生の息子に「ゲームばっかりしてないで、少しは勉強しろ!」と、いつものように説教している自分に、ハッとしました。口では偉そうなことを言いながら、自分自身は、新しいことから逃げ、挑戦しようともしていない。こんな父親の言葉が、息子の心に響くはずがない。子どもに変わってほしいと願うなら、まず、自分が変わるしかない。親が、学ぶことを楽しんでいる姿を見せること以上に、雄弁な教育があるだろうか。私は、その日、腹を括りました。
なぜ「親の背中」が、最高の英語教育なのか?
机に向かい、必死に単語を覚える父親の姿。それは、子どもたちにとって、最初は奇妙に映るかもしれません。しかし、その背中は、どんな高価な英語教材よりも、雄弁に、大切なことを語り始めます。
「やりなさい」という命令より、「一緒にやろう」という誘い
親が「勉強しなさい」と言う時、それは、親と子の間に「管理者」と「実行者」という壁を作ります。しかし、親自身が学んでいれば、言葉は自然と変わります。「この単語、どういう意味だっけ?」「この発音、合ってるかな?」。それは、**「一緒に、学んでいこうぜ」という、同じチームの仲間への誘い**に変わるのです。
父親が「失敗を恐れず、挑戦する姿」そのものが、生きた教材になる
オンライン英会話で、しどろもどろになりながら、必死に単語を繋げようとする父親の姿。発音を間違えて、子どもに笑われる姿。それは、決して恥ずかしいものではありません。むしろ、**「大人だって、完璧じゃない」「失敗しても、また挑戦すればいいんだ」**という、人生で最も大切な教訓を、身をもって示す、最高の「生きた教材」になるのです。
【私の全記録】英検3級からの「やり直し英語」プロジェクト
では、具体的に、私が何をしたのか。多くの失敗を経てたどり着いた、泥臭いまでの全記録です。
ステップ0【戦略立案編】:最初に決めた「3つのルール」と「月々の予算」
まず、挫折しないために、3つのルールを決めました。
- 完璧を目指さない:目標は、ネイティブのように話すことではなく、「伝わる」こと。
- 毎日5分でも触れる:どんなに疲れていても、5分だけは英語に触れる。習慣化が最優先。
- 楽しむことを忘れない:英語を「勉強」ではなく、「新しい世界の扉を開く趣味」と捉える。
そして、家計を圧迫しないよう、自分への投資として「月1万円まで」という予算を決めました。この予算内で、最高のコストパフォーマンスを追求することが、私の挑戦の裏テーマでもありました。
ステップ1【基礎工事編】:中学英語の再インストール(投資額:約2,000円)
何冊も文法書を買い、挫折した私が、唯一「これだ!」と思えたのが、大西泰斗先生の『一億人の英文法』(税込1,980円)でした。これは、受験英語のような小難しいルールではなく、「ネイティブは、なぜ、こう話すのか」という、英語の「気持ち」の部分から解説してくれる、革命的な本です。私は、毎晩寝る前に30分、この本を読むことを自分に課しました。バラバラだった文法の知識が、少しずつ繋がっていく感覚は、純粋に知的な喜びでした。
ステップ2【語彙&リスニング編】:通勤時間を「耳の留学」に変える(投資額:ほぼ0円)
往復1時間の通勤電車。ここを、インプットの時間に変えました。
- 単語学習:使ったのは、無料の単語帳アプリ「Anki」です。市販の単語帳は買わず、文法書や後述の英会話で出会った、「自分が言えなかった、知らなかった単語」だけを、例文ごと登録。自分だけのオリジナル単語帳を作りました。
- ターゲット1900:書籍で覚えて、リスニングはひたすらアプリを活用。とにかく、何度も何度も聞きました。シャドーイングもたくさん。1冊を何周もよんで、シャドーイングしてということを繰り返しました。本当におすすめです。
- リスニング&シャドーイング:最初は、ニュース英語など、難しすぎて全く聞き取れませんでした。
そこで出会ったのが、ポッドキャストの「台本なし英会話レッスン」。ネイティブの自然な会話を、日本語の解説付きで聞けるこの番組は、私の耳を少しずつ英語に慣らしてくれました。そして、慣れてきたら、**シャドーイング**に挑戦。これは、英語の音声を聞きながら、少し遅れて影(シャドー)のように真似して発音するトレーニングです。最初はとても追いつけず、口がもつれるだけ。
そこで私は、**マスクをしているのをいいことに、通勤電車の中で、誰にも聞こえないくらいの小声で、ひたすらゴニョゴニョとシャドーイングを繰り返しました。**傍から見たら、相当怪しいオジサンだったと思います(笑)。でも、これが、私のリスニング力と発音を、劇的に向上させてくれたのです。
ステップ3【実践会話編】:月額7,000円で、世界と繋がる(投資額:月額6,480円)
インプットだけでは、話せるようにはなりません。私は、意を決して、オンライン英会話「ネイティブキャンプ」の「プレミアムプラン」(月額6,480円)に申し込みました。予約不要で、24時間いつでも、回数無制限でレッスンが受けられるのが、忙しい私には合っていました。
最初のレッスンは、惨憺たるものでした。フィリピン人の優しい女性講師の質問が、全く聞き取れない。「Yes…Yes…」と、冷や汗をかきながら相槌を打つだけで、25分が終了。
終わった後の、あの絶望感。「月謝、無駄にした…」と本気で思いました。しかし、2回、3回と続けるうちに、気づいたのです。「完璧に話そうとするから、何も言えなくなるんだ」と。そこからは、開き直りました。
知っている単語と、身振り手振りで、とにかく何かを伝える。間違えてもいい。そのうち、講師が私の言いたいことを汲み取ってくれ、チャットボックスに正しい英文を送ってくれる。
その繰り返しの中で、少しずつ「伝わる」という快感を覚えていったのです。そして、始めて1ヶ月が経った頃、セルビア人の男性講師と、お互いの好きな映画(スター・ウォーズ)の話で、5分間、途切れることなく笑い合えた。あの時の、震えるほどの感動は、一生忘れません。
YouTubeで留学経験なしでペラペラになったひとや、達人の動画をたくさんみる
正直に告白します。参考書を読んだり、アプリで単語を覚えたりするだけの孤独な学習には、限界があります。「本当に、このやり方で合っているのか…?」と、何度も心が折れそうになりました。そんな時、私の心を支え、導いてくれたのが、YouTubeでした。
最初は、「YouTubeなんて若者が見るものだ」と、少し侮っていました。しかし、そこには、私と同じように、留学経験なしで、日本国内での独学だけで英語をマスターした「達人」たちが、惜しげもなくノウハウを発信している、宝の山が広がっていたのです。彼らの存在が、「40代からでも、やり方次第で、絶対に話せるようになるんだ」という、強烈なポジティブ・シャワーを私に浴びせてくれました。
数あるチャンネルの中で、特に私が「これは!」と膝を打ち、何度も繰り返し見た、おすすめのチャンネルを3つだけ、厳選してご紹介します。
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① Atsueigoさん:
何よりもまず、私の「英語学習への向き合い方」そのものを変えてくれた、恩人とも言えるチャンネルです。Atsuさん自身が、純粋な国内独学で、圧倒的な英語力を身につけた方なので、その言葉には、とてつもない説得力があります。特に、英単語の覚え方や、学習へのマインドセットに関する動画は、40代の凝り固まった頭を、ハンマーで殴られるような衝撃でした。「なるほど、だから俺は今まで挫折してきたのか」と、腑に落ちることばかりです。
- Ayane。
あやね 英会話
YouTuber「Ayane」として活動する日本人女性。英語学習や日本文化を英語と日本語で発信し、流暢な英語を披露。チャンネル登録者数は約5万人(2025年時点)。
SewaYouのブログで「海外経験や留学なしで英語を習得した」として紹介されており、純国内での学習が明確。
インタビュー動画や街頭インタビューで、ネイティブとスムーズに会話。
私の挑戦が、わが家にもたらした「3つの、嬉しい変化」
私が英語の勉強を始めて、変わったのは、私の英語力だけではありませんでした。家庭内に、予想もしなかった、嬉しい変化が訪れたのです。
①【中学生の息子の変化】:冷笑から、尊敬へ。発音を直してくれた、あの夜
当初、私の挑戦を、少し馬鹿にしたように、冷ややかに見ていた息子。しかし、私がリビングでブツブツと英語を呟いている姿が日常になるにつれ、彼の態度に変化が訪れました。ある夜、私がオンライン英会話の予習をしていると、後ろからボソッと、「親父、その単語の発音、違う。『R』は、もっと舌を巻く感じ」と、教えてくれたのです。それは、彼が、私の挑戦を、初めて「認めてくれた」瞬間でした。その日を境に、彼は時々、私の「英語の先生」になってくれるようになりました。
②【小学生の娘の変化】:最高の応援団。英語の歌を、一緒に歌ってくれる日々
娘は、私の挑戦を、最初から「パパ、すごい!」と、キラキラした目で応援してくれました。私が英語のリスニングをしていると、横に来て、一緒に英語の歌を口ずさむ。私が単語を覚えていると、「その意味、なあに?」と聞いてくる。彼女にとって、英語は「勉強」ではなく、「パパと一緒に楽しむ、面白い遊び」になったのです。
③【私自身の変化】:英語が「勉強」から「趣味」に変わった
そして、何よりの変化は、私自身に訪れました。あれほど苦痛だった英語が、いつの間にか、知的好奇心を満たしてくれる、最高の「趣味」に変わっていたのです。昨日聞き取れなかったフレーズが、今日、聞き取れるようになる。言えなかった自己紹介が、スラスラ言えるようになる。その小さな成長の積み重ねが、日々の仕事で失いかけていた、純粋な「学ぶ喜び」を、私に思い出させてくれました。
まとめ:私たちの挑戦は、まだ始まったばかり。でも、それは、未来への最高の贈り物だ
ここまで、私の拙い挑戦の記録を読んでくださり、ありがとうございました。
私の英語力は、まだまだ、胸を張れるようなレベルには程遠い。オンライン英会話では、今でも、言いたいことが言えずに、悔しい思いをすることばかりです。しかし、一つだけ、確信していることがあります。
父親が、年齢を理由にせず、新しいことに挑戦し、失敗し、それでも学び続ける姿。その「背中」こそが、どんな高価な教材よりも、どんな立派な説教よりも、雄弁に、子どもたちの未来を照らす光になる、と。私たちの挑戦は、私たち自身のためだけではない。それは、愛する子どもたちへと贈る、最高のプレゼントなのです。
- 40代からの挑戦に「遅すぎる」はない。父親の学ぶ姿が、最高の子育てになる。
- 完璧を目指さない。「伝わる」ことを目標に、中学英語のやり直しから始めればいい。
- 通勤電車でのシャドーイング、月7000円弱のオンライン英会話が、最強の組み合わせ。
- あなたの次の一歩は、本屋で『一億人の英文法』を手に取ってみること。あるいは、スマホにポッドキャストアプリを入れてみること。
この記事を書いた人:みつはし
40代のサラリーマン兼副業ウェブライター。中学生の息子と小学生の娘、そして妻との4人家族で暮らしています。
子育て・家計・副業など、リアルな日常の中で感じたこと・失敗したこと・ちょっとした工夫を、同じように悩む方のヒントになればと願って発信中です。どうぞよろしくお願いします。